第一話 奴が来る

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あの男と会ったのは2週間前だ。今は精神科の病院で隔離されているという。 今から思えば、実在していたのかもしれない。 しかし、誰も真相は知らない。知ろうともしない。 ただ、あの男がいかれている。幻覚をみているだけだ。 皆口をそろえる。 自分もそうだ。 男との出会いは突然だった。 終電に乗り遅れた私は、タクシーで帰るところだった。座席に乗ろうとした時、男が走ってきた。
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