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あの夜から一週間が過ぎた。男は精神科医の治療を受けているという。
犯行の動機も不明のままだが、ただ一つわかっていることは、奴に怯えていることだ。
奴が来る
助けてくれ
そして、タクシーに乗せてくれ
同じ事を繰り返して叫んでいるという。
男は殺人を犯している。これが報いであるのなら、致し方ないだろう。
しかし、何故私に幻覚を見せたのか。
被害者の魂が、男に何かをするためなのか。
それとも、私に求めていたのか。
全ては謎のまま闇に消えるだろう。
ただ、ひとつ確かな事は男が一生奴に苦しむということ。
今日も奴は来るのだろう。
おわり
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