第1章

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教室に、ひとりで宿題をやっているAがいた。 キーンコーンカーンコーン 最終下校時間になり、宿題を片付け帰ろうとして立ち上がると……教室に見知らぬ制服を着たBが立っていた。 「誰?」 『わすれたのかい? 俺たち婚約したんだけどなあ。……まあ、あれからもう200年は経っちゃってるから忘れてるのも当然か。』 少し残念そうにして、Aから視線を外す。 「え? ああ、ちゃんと覚えてるに決まってるじゃない。ただ、前と違う姿だったから気づかなかっただけ。」 にこっと笑いながら話す。 『そうかそうか。ならいいんだ。……でさ、婚約したあとにもう一つ約束したんだけど、その事は覚えてるかい?』 視線をAに戻し、鞄からシュリケンを取り出す。 「当たり前よ。この思い、あなたにぶつけたくて200年間ず~っと人間のフリしていたんだから。」 と、背後に隠していた剣を構える。 『いざ、尋常に』
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