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この男に意地悪な質問をした自分が悪かった。不埒な手が朝の生理現象で立ち上がっているところやその奥の双丘に伸びてきて焦る。
「なんだ?こんないやらしい夢を見たんじゃないのか」
「何残念がってんだよ!そんな夢見るわけねぇだろ、ったく」
ジーンの手から逃れるようにベッドから抜け出した陽聖はさっさと着替えを始めた。だがジーンはそれを見ているだけで動こうとしない。
ジーンが日本に戻ってきて約一ヶ月、仕事をしている素振りがない。たまに一人で出かけることはあるが、ほとんど春休み中の陽聖と一緒に過ごしているのだ。
去年の夏。埋蔵金問題が片づいたあとアメリカに戻ったジーンは甥のレオと一緒に損失の穴埋めに奔走し、新しい改革で会社を立て直して軌道に乗せるとレオにその座を譲り日本へと戻ってきた。それからというもの、こっちにある七条の人間が経営する会社で仕事をするものだと思っていたのだがどうやら違うらしい。何をするつもりなのかと聞いてもそのうちわかるとだけしか言わず陽聖にはまだ教えてくれなかった。
そんなジーンを横目に今日は母親から買い物に付き合ってほしいと言われている陽聖は朝食を食べたら出かける予定でいた。
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