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咲来『あ、着きました。この辺りです』
江ノ本『やっとか、結構歩いたな』
咲来『考えてみればあの時も隣町まで行ったんだっけ。いや実際は忘れたけど』
江ノ本『何の話だ?』
咲来『いや何でもないです。あ、誰かいます。隠れましょう』
咲来『(あのミカン箱の段ボールに座っている人物、間違いない)』
咲来『(江ノ本アキだ)』
江ノ本『……なあ、ちょっとちょっと』
咲来『どうしました?』
江ノ本『兄は……どこにいるんだ?』
咲来『え?』
咲来『(いなくなったのか?いやでもついさっきあそこにいたはず)』
咲来『(だが今も段ボールの上に座っている)』
咲来『(江ノ本アキからここまでの距離なら目が悪くても全く見えないなんてあるはずがない)』
咲来『(なら、本当に)』
咲来『(江ノ本先輩には、江ノ本アキが見えていない)』
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