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江ノ本『……昔、ある年の離れた友達がいたんだ』
江ノ本『俺と関わったら兄に殺されるかもしれないのに、俺と友達だった物好きな奴』
江ノ本『兄が亡くなって、俺が引き取られた前に会ってこう言われたんだ』
江ノ本『お前は自分の力で生きていける人間だって』
江ノ本『俺はさ、何があっても自分だけは味方につけようって思ったんだ。だけど皆いなくなって、それでもそばには兄がいて知らず知らずに兄に頼りっきりになってた』
江ノ本『でも、兄が中途半端に味方になってたから今度は自分が味方にならなくて、見失ってたんだ』
江ノ本『だけど、その友達に言われた時にハッとして、やっと自分が誰なのか少し分かって』
江ノ本『それで、兄ちゃんが要らなくなったんだ』
江ノ本『だからきっと、そこにいるであろう江ノ本アキは僕が捨てた物が自分で一人歩きをしただけなんだろう』
江ノ本『だから、僕はもう会えないけど君はたまに会いに行ってくれ。兄ちゃんはアレで寂しがり屋だから』
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