25人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
あたしは受け取った銀貨をポーチに詰め込むと手を振り別れ
を告げようとした。
「妖精のお姉さん、ありがとう。僕からもお礼がしたいな」
そう言って彼はクッキーを1枚、手渡してくれた。
「ありがとうね。あ、君、名前は?」
「アレクシオス・サンフィールド」
少年はほほ笑みながら、そう自分の名前を告げた。
「ん、じゃあね。元気で頑張るのよ。チャオ」
サンフィールド親子に別れを告げたあたしは、再び馬車の停
車場を目指して羽ばたいた。
アレクシオス・サンフィールド。
彼がその後「魔導の大賢者」と呼ばれる人物になるとは、さ
すがのヴィヴィにも知る由はなかった……
最初のコメントを投稿しよう!