山野アパート殺人事件

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「そういえば、私と悟、亮太郎さんの死体を見てないんだけど…」 言われてみればそうだ。俺と直は、桃さんとばかり話をしていたが、肝心な亮太郎の部屋には、入って居ない。 「すみません、桃さん合鍵お借りしていいですか?」 と俺が言うと、桃さんはスカートのポケットから、合鍵を出して、俺に渡してくれた。 「悟、中に入ろう?」 「お、おう。」 そして、俺と直は、死体を見てびっくりした。リビングには、亮太郎さんらしき人の死体が…。首筋には、やけどの跡、お腹に刺し傷、そして一番の謎は、“S”という“ダイイングメッセージ”だ。 「S?って何だろう。」 「とりあえず、悟、一緒に近所の人に事情聴衆しよ。」 そして、俺らは、206号室へと向かった。 _206号室_椎名 剛 チャイムを鳴らすと剛さんは、出てきた。 「なんか用?」 って言う彼には、寝不足だからか、クマが出来ている。 「椎名さん、私、このアパートに住んでいる探偵の神田と申します。」 と直が言うと彼は、何かいい案が浮かんだ小学生のように、嬉しそうにこう言った。 「あー!407の?」 「そうです!よく知って居ますね!!」 「まーね、記憶力だけはいいんだよ。んで、君は確か408だったよね?名前は、えーと、黒田さん?だっけな。」 「はい、黒田です。まさかですけど、このアパート全員の名前言えるんですか?」 「うん、204の岡林さんと、310の荒畑さんは、顔を見たこと無いから、分かんないんだけどね。」 204と310か……。確かに、俺も会ったこと無いな。あとで行ってみようか。
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