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「…で話はなんだい?」
「あ、えっと、隣の205の天田さんが、今日、死体で見つかったんですけど……。」
と俺が言うと、椎名さんは、目を見開いてこう言った。
「え?あの天田くんが?」
知り合いなのか…?と思ったときに、直が質問してくれた。
「あ、はい。椎名さん天田さんとお知り合いですか?」
「あー、知り合いって言うより、飲み友達かな。昨日も朝まで飲み明かしてたよ。天田くんお酒好きだからさ、気が合うんだよね。」
「天田さんは、誰かの愚痴とか言ったりしていましたか?」
「さぁー?俺もベロンベロンだったからさ、記憶が曖昧なんだけど、確か、愚痴は言って無かったよ。愚痴って言うよりノロケ話ばっかだよ。『桃が~桃が~』ってさ。」
「そうですか、あの…天田さんはどんな人何ですか?」
と言った直は、俺にペンとノートを渡してきた。つまり“ヒントになりそうな事書いといて。”のサインだ。
毎回、俺は、事件の記録係なのだ。
「天田くんはね、仕事は薬剤師で、彼女は高校生のときから付き合って居たらしいよ。あと、大学は大和科学大学の薬品科だったよーな…。」
大和科学大学ってそうとうな、エリート大学だよな。確か、姉貴の彼氏が大和科学大学だったよな…。あとで、連絡してみるか。
「お話聞かしていただいて、有難うございます。」
「いえいえ、早く犯人見つかるといいね。」
「はい、では、失礼します。」
俺らは、椎名さんの部屋から出て、気になった204号室の岡林さんの所へ向かった。
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