第2章

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今度は電子音ではなく、僅かな痛みを感じて僕は目を開けた。 視界は靄がかかった様に、朧げだった。 ぼやけている視界に人らしい影が映る。 どうやらその影は此方を覗き込むようにして、僕の周りにいるようだ。 「純!」 まだ、覚醒しきらない僕の耳に母親の声が飛び込んできた。 なんで母さんの声がするの? 「あなた、先生を!」 「ああ、わかってる。」 父さんもいる? なんで? ここは学校のはずじゃ…… ボーッとした頭で記憶を手繰り寄せる。 意識がはっきりとしていくに連れて、感じていた痛みが酷くなっていった。 此処は病院だと理解した頃には、激痛が僕の身体を駆けていた。 やっとクリアになった視界に両親、悠希、一宮さんの顔が映る。 不安、安堵、憔悴。 色んなものが混ざったような複雑な顔をしていた。
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