隠れた世界…

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        『馬鹿な…』 「私も遊楽ちゃんも…、暁と同じようにサムエには怨みがある… ひとりづつ…、封印と一緒に呪いをかけた。 そして、秘無の呪を私達…お互いにも掛けた…」 『呪い…?、呪の印を封じた…?』 「そう、呪いも人数分…何重にも、掛かっているのわ… そして、この石にも呪が刻んであるわ… サムエは禁忌の呪を、使っていたの。 面よ… 面を被って、他人に…遊楽ちゃんに成りすましていた… 次は、私だったかも… 人間の皮で面を… 信じられないと思うけど… サムエは、人皮の面を幾つも作っていたわ… その中に私の面も、あったの…」 『人の皮で作った面?』 「暁、私ね…、琥珀の城の地下に、閉じ込められていた… 私は閉じ込められていた時、薬で眠らされていた… 先に閉じ込められていた遊楽ちゃんは、記憶を失っていた… それを、サムエに利用されていたの」 『薬…?  記憶…?』 「そう… 暁、遊楽ちゃんは、華一族だったの… そのために、閉じ込められていたみたい。 サムエは知っていたそうよ」 『まさか…』 「私も信じられなかった。 遊楽ちゃんとサムエは同一者?じゃないかと思ったわ。 サムエが意識を失った時に面が外れたの… 面が外れたサムエは、別人だった。サムエは面を被って、遊楽ちゃんに成り代わっていたの… 面が外れなかったら、私は…まだ…疑っていたと思う。 琥珀の城で、サムエの研究室が見つかったの… そこには、数十の面が作られていたわ… 驚いた… 私の面もあった。 私の面も使われていたの…」 『面?面の者に変われる?優希になっていた…』 「そう…よ。 一種の呪法を用いた道具だって華燐様が、話してくれたわ。 遊楽ちゃんに成り代わろうと、華一族の紋章を身体に移そうとしていたらしいの。 また、私に成りすまして龍也様や…」 『面の者に変わる? 優希の面…? 馬鹿な… 優希は…、優希は俺を見つけたじゃないか… そんな話…、誰が…信じる…』 「私は…、 暁…、判断は貴方に…してもらうしかないわ。 私の面を見せてあげる… 呪が掛かっていて私だけの力では、壊せないの… 暁、力を貸してほしいの…」 すがるように、暁を見つめる優希… 「あの…暁…、暁の腕にも紋章有るわよね… それって、他人にも授けることって出来るの?」 優希は真実を、話したかった。
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