僕と御嬢様

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「....」 「......」 彼女はボーとしている。空を見てボーと。窓の空を見てボーと。無表情で一筋に。 その彼女は僕の御主人であり一生償(ツグナ)って忠誠(チュウセイ)を誓(チカ)い何処(ドコ)へでもついて行かなくてはならない。 だから僕はそれを守り破らず裏切らず嘘つかず真っ直(ス)ぐに進むんで生きていかなくてはならない。 そして僕は今日も。 「御嬢様、昼食(チュウショク)の時間です。今テラスに運びますので少々お待ち下さい」 「......」 誰の顔も声も姿も言う事も見向きも傾(カタム)ける気も行動も知らんぷりで興味なく、彼女はとにかく、無表情でボーとしている。 今日も。
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