僕と御嬢様

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そんなある日。今までの事が当たり前になってきたそんな日。 御嬢様がこの広々(ヒロビロ)とした御屋敷から、出て行った。逃げた。逃亡(トウボウ)した。居(イ)なくなった。何処にも居ない。という噂(ウワサ)が流れた。 最初は噂だと思いいつものように御嬢様の部屋に行くと確かにいつものテラスの前の所には居なかった。 椅子は平然(ヘイゼン)とあり、スリッパもいつものようにそこらへんに散らばっていてベットの上の布団(フトン)も起きてそのままだ。 御手洗い(トイレ)か入浴(ニュウヨク(お風呂(フロ))か思っていたらメイドの皆様(ミナサマ)からはどうやら、この御屋敷から出たらしい。 許可なく誰の断りもなく、誰の付き添いもなくたった1人でこの御屋敷を出て行くとなるととても難易(ナンイ)であり、本来は"許されない"のだ。 そう、彼女には...御嬢様には"身勝手な"行動は許されていないのだ。
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