僕と御嬢様

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とにかくこの事を御嬢様の御父様(オトウサマ)にあたる"依頼者(イライシャ)"に述(ノ)べなくてはいけないのか? 述べたら怒りの印(シルシ)。述べなくて御嬢様の身に何かあったなら死を覚悟。とても良(イ)いのは、述べなくて御嬢様の身に何もなくて無事(ブジ)にいつものようにしていてくれたら良(ヨ)い。 でもメイドの皆様やここの警備の方々(カタガタ)そしてこの御屋敷で働いている使用人は全員知ってるはずだ。 だから迂闊(ウカツ)には誤魔化さない方が良い。そして僕は今すぐに御嬢様の所へ行かなくてはならない。 外ではSPの方々が探しに行って下さってるからやや安心のものの、もし今もうすでに御嬢様の身に何かあっては後もこうもない。 玄関を出て門に向かって走る。 御嬢様は...彼女はいったい何を思っているのだろうか。何をどういう風に思っているのだろうか。
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