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意外と仕事はすぐに決まった。地元に戻った事もあって、幼い時から顔見知りだった女性に仕事の話を持ちかけられたのだ。 「由衣ちゃんにはピッタリの仕事だと思うのよ、ニコニコ笑ってお酒を作って相槌を打ってあげる。どう?簡単でしょ?お給料も頑張り次第であげてあげられるし、どうかな?」 そう、ホステスってやつ。 地元は田舎だから、キャバクラなんていう洒落た店は少ない。その代わりスナックがあちこちにあり、錆びれた田舎の一角をネオンで照らしていた。 「私に務まるでしょうか…あまりお酒も強くありませんし…」 「大丈夫よ、お酒は無理に飲まなくていいから!女の子が足りないのよ~、由衣ちゃんなら人気出ると思うの、顔だってとっても可愛いんだから、花になるわ!助けると思って、ね?」 ママさんの強い押しで私は気づいたときには承諾していた。確かに真面目にお昼働くよりも給料は遥かに良かった。それに19時~1時までと時間も短く、オシャレだってできる。知り合いという事で幾分か安心もあった。 早速誘いを受けたその日から仕事が始まった。 しかし私はこの誘いを受けた事を3ヶ月もしないで後悔することになる。
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