choco to Christmas～不器用な贈り物～

トップエンドの部分に白いもこもこファーが付いている、赤いブーツの形をした入れ物。中には、カラフルなラムネやビスコやクッキーが入っている。

野城は、段ボール箱に貼り付けられている伝票に目をやった。

【ご依頼主】の欄に書かれているのは、やはり野城 昭仁。

……優がこれで僕と少しでも通じ合おうと思っているのなら、それは浅はかな考えだ。

僕は別に、昭仁さんからクリスマスプレゼントが欲しいなんて、思ってない。

という僕の気持ちすら、君には分かるはずもなく。

肉親からのプレゼントが欲しいくないという心理が、優に分かるはずもない。

そんなことを思いながら、充はブーツの中に入っていたクッキーを開封し、ひとり部屋の中で静かに食べていた。