0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「おお、優。元気かい?おお、そうかい。無事に届いたかい。それは良かったよ」
昭仁の朗らかな声。
優は、段ボールの中身を触りながら、そっけなく言う。
「……ところで、”あいつ”には送ったのかよ」
「そんなことを聞くために電話してきたのかい?」
「あ、いや別に・・・」
昭仁の声色に、微妙に不機嫌さを感じとった優は、これ以上気まずくなるまえにと慌てて電話を切った。
改めて段ボールの中身に目をやると、奥底に、おもちゃの長靴があるのに気づいた。
しかも――
「二個もいらねぇっての。もしかして――わざとかよ」
最初のコメントを投稿しよう!