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十二月二十四日、午前十一時。
苺学園の鼻の先にあるコンビニから帰ってきた野城は、男子寮へと歩いていた。
昨日は二学期の終業式だった。今日から冬休みで、今日から実家に帰省をする。
野城は、新幹線で食べるためのお弁当を買っていた。
男子寮に到着し、共同の郵便ポストをチェックしたあと、掲示板を見ると、宅配便未受け取りの欄に、自分の名前があることに気づいた。
・・・誰からだろう?
風で乱れたマフラーと髪を手でクシャクシャと整えながら、さっそく受付にいる寮母さんに申し出る。
「一年C組、野城 充です。宅配便を受け取りたいのですが・・・」
「あぁ、はいはい、一年C組、野城くんね。ちょっと待ってね」
「多いのですか?」
「今日はクリスマスイブだからねぇ。家族や友達からプレゼントが贈られてくる子達の多いこと多いこと」
寮母さんは微笑みながら、三段積まれている段ボールの伝票を、一つ一つチェックしていた。
野城は一瞬、頭の中に何か感じるものがあった。
そんな・・・
僕に限って
まさかね。
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