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「お願い、一回だけ」
ち、近い、この距離50センチくらい。
いくら校舎裏とはいえ、学校だし…
それにそういうのって、予告なしにやるから効果あるんじゃない?
やっぱりダメだって!
もっと近づいた二人の距離、わずか20センチ。
校舎にひっついた俺の背中…
「ダメって言ったよね、俺」
「どうしてもやってみたかったの、壁ドン」
多分こいつ、かなり無理して爪先立ちしてる。
身体がプルプルしてるのは、きっと寒さのせいじゃない。
仕方ないから俺の膝を少し曲げてやる。
そして訂正する。
予告ありでも結構ドキドキするもんだ、コレ。
「マフラー、邪魔だな」
ほっぺの赤を一段と濃くした彼女の壁ドン終了。
さっきまた降り始めた雪は、二人の周りだけ早く溶けた。
End
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