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英国の国章はサポーター(盾を支える守護獣)にイングランドの象徴であるライオンがデキスターに置かれ、スコットランドを象徴するユニコーンはシニスターに配置されている。
日本では一言でイギリスと呼ばれるが、実は「イギリス」という国は存在しない。イギリスとは「イングランドの」というEnglishが訛って定着した、日本だけの呼称でしかない。
広くユナイテッドキングダム──united kingdom(UK)と呼ばれる英国は、その名の通りイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの連合国で、そこに住む人たちは使う言語も文化もそれぞれ異なる民族である。
長い歴史の中で侵攻や征服が絶え間なく繰り返されたこの国の内情は、今も複雑なままだ。ワールドカップのサッカーチームひとつ取っても、その問題の根深さを感じる。中でもイングランドとスコットランドにおける摩擦は大きい。
その為、英国の統治者であり、イングランドの代表であるエリザベス女王がスコットランドに赴く際は、このサポーターの配置を逆にした紋章旗の飛行機で行くほど。
紋章のデザインは決して単なる装飾ではなく、この左右の違いひとつにも内政に影響を及ぼすほどの意味を持つ。
下図は英国の国章
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