5月

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「いらっしゃいませ。あ!絵描きのおじさん!」 店長としてご挨拶したソラちゃんが、ぱあっと笑顔になった。 「こんばんは。本当にお店をやっているんだねえ。」 絵描きのおじさん、珍しそうにキョロキョロした。 どうやら、どれもこれも、絵描きさんの国にはないものばかりらしい。 それどころか、これまでの旅で一度も見たことのないものばかり。 絵描きさんが、黄色くてころんとした置き時計を手に取った。 「かわいいねえ、この時計。」 「それ、目覚まし時計なんです。しかも、ねぼすけさん専用の強力なやつ。」 ソラちゃんは、ちょっと貸してくださいねと言って、置き時計の針をクルクル回した。 その途端、「キー!キー!」って物凄く甲高い動物の鳴き声が鳴り響いた。 これはうるさい!誰でも一瞬で目が覚める!
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