ソラ屋さんとウミ屋さんの物語

年が明ける前に

空色の看板のお店は「ソラ屋さん」。

海色の看板のお店は「ウミ屋さん」。

どちらも古くからお店だから、いつからあるなんて誰も知らない。

都の人が生まれた時にはもうあって、腰の曲がったお年寄りなってもまだあるからさ。

開店時間の1時間前に、どこからともなくお店の主がやってくる。

手を繋いで、二人で歩いてくるんだよ。

恋人同士？夫婦なのかな？

違う違う、二人は双子、似ているけれど違う、違うのに似ている双子。

だって。

ソラ屋の主は女の子のソラちゃんで、ウミ屋の主は男の子のウミくんだからさ。

二人は双子、女の子の方がお姉さんって話だけれど、本当かな。