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「美秋も僕が好きだよ。だって唇が好きだって言ってたもん」
そう言うとクリスは軽くまたキスした。
「ほらね」
呆気にとられてるあたしにクリスはにっこりと笑う。
「見て。まるで美秋みたいに綺麗な紅葉だ。美しい秋。君にぴったりな名前だね。紅葉はみんなのだけど、美秋は僕だけのものになって」
温かな腕に抱き締められ見上げる彼の頭上には真っ赤な紅葉。
それに負けないくらいあたしの顔も真っ赤になっているんだろう。
名前負けしてると嫌いだった自分の名前。
だから嫌いなこの季節。
だけど明日からはどちらも好きになれそうな気がする……。
【恋2・終】
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