恋3《夏》

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「いらっしゃいませ」 あたしはいつも通り彼に接する。そうしていないと気持ちが溢れてしまいそうだったから……。 「ありがとうございました」 そして彼もはいつもと同じ様に手をあげてくれた。 あたしは気持ちをこらえ最後の窓越し挨拶を笑顔で交わし、彼を笑顔で見送った。 その日の夕方。数人の浴衣姿の女の子達が店の前を通りすぎるのを見て、今日が花火大会だと気付いた。
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