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「キャッ、エッチ」
その声に顔をあげるとそこには風呂から上がったばかりの聡一郎が、首からタオルを下げ上半身裸で立っていた。
数秒後、あたしの叫び声は家の外まで響いた。
「聡ちゃんごめんね。全くあんたはなんにも聞かないで」
母は聡一郎に謝り、ブー垂れているあたしを叱る。
「おばさんいいって。見られて減るもんじゃないし、なあ?」
聡一郎は笑いながらタオルで頭を拭いた時、チラッと見えたその先にあたしの視線が釘付けになった。
視線の先、聡一郎の鎖骨下には夢で見慣れた傷があったから……。
【恋4・終】
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