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不意に歌が止み、そんな声が聞こえた。
……いや、テープが止まったのではなく、彼女が歌うのを止めて声を掛けてきただけなのか……するとこれも……
「……まったく、そんな風に陽の下で寝てると、死んじゃうよ?」
そう言って、彼女は俺の顔を覗き込んできた。
二箇所でまとめた快活そうな髪形。
小さめの顔。
長い睫。
大きな丸い瞳。
「そういう時はお姉さんにいいなさい? ちゃんと輝クンの事、構ってあげるんだから」
そう言って、向日葵のように微笑んだ。
俺にとって、彼女こそがどんなお菓子よりも甘かった。
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