カセットテープ、風呂、扇風機

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 まず、一番上に乗っかっているナッツを取る。  包装を開け、口に放り込んだ。噛むと、途端にチョコの甘みとナッツの香ばしさが口いっぱいに広がった。  次にワイン入りらしき赤いラメの包装のものをつまむ。  ワインの芳醇な味とチョコの甘みがよくあっていた。  次に板チョコ。  噛むたびにぱきっ、ぱきっと弾ける食感が楽しかった。  ――しかし、暑い。  いや、チョコは確かにうまかったのだが、現実として気温は30℃に届きそうで、しかも無風で蝉の音が大ハッスルなわけで。  そんな暑い日にチョコレートを貪り食う俺はいったい何なんだろうか?  と疑問に思っても仕方のない話で。  暑い日に甘い物食ったらそりゃ暑苦しくもなるわけで。  ――なーんでこんな事になってんだろうなー……。  そんな事を考えながら、ひたすらチョコを食べていた。  ぽりぽり、ぱきぱきと音を立てながら食べ続けた。  ぼんやりと上の方を眺めながら上の空で食べ続けた。  だらだらと流れ続ける汗をうとましく思いつつ、蝉の音を聞きながらただ無心で食べ続けていた……
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