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「もうさぁ。プレゼントは、あ・た・し!とか言っとけば一番喜ぶんじゃないの」
散々付き合わされて、疲れた美佳が投げやりにそう言った。
仕事帰りの買い物で、いい加減お腹もすいたので一旦食事も兼ねた休憩に入る。
といっても、早く何か見つけなければ店も閉まってしまうので、通りがかったパン屋のイートインスペースで簡単な食事だ。
当然、私の奢り。
「そんな適当なこと言わないで、なんか一緒に考えてよぉ!」
「んなこと言ったって……あれは高価すぎる、これはお手軽すぎる、ブランドは何が良いかわからない、抑々彼が何を欲しがってるかわからない、どうしろっつーの」
美佳がぼやきながらホットコーヒーのカップを口元に近づけた。
美佳の言い分は尤もだ、私もわがままを言いすぎたかもしれないけれど。
最初のクリスマスだし、いきなり高価なものは重い気がするし私の財布も痛いし、手軽すぎるのも愛想がない気がして。
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