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「……そうだよね」
でも、その嬉しそうな顔を見るためには一体何を買えばいいのか。
わからないから、結局思考は堂々巡りだ。
「うちは悩むの面倒だから一緒に買いに行くけど」
「えー……言ってることと違くない?」
「違わないわよ、ちゃんとお互い喜んでるもん」
「……なるほど」
いちいち私が難しく考えすぎなのか?
首を捻りながら、目的の百貨店のガラス戸を通り抜けた。
閉店まで、まだ少し時間がある。
もうあれこれ迷ってる暇はない。
この百貨店内で確実に決めようと店内を見て回り、一つのブランドでようやく買うことができた。
「で、結局ランジェリーも買うんじゃない」
「べっ、別に、「あ・た・し」ってするつもりで買ったんじゃないし!」
にやにやと横目で見る隣の美佳の肩を、ぐーで殴った。
そろそろ、新しい下着も欲しかっただけだし。
「お泊りするんならパジャマも持ってった方が良いよ」
「わ、わかんないしそんなん」
「あ、自分で持ってくのも準備万端みたいで恥ずかしいね。それにパジャマなんていらないかもね、どうせ脱ぐしね」
美佳の意地悪なセリフに、私は口をぱくぱくと空振りさせる。
そんなん言われたら、どうしたらいいかますますわかんないじゃない!
「ぷぷぷ」
「い……いじわるっ!」
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