クリスマスのプレゼント

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う……わ。 彼の膝の上で、初めて見下ろす体勢。 ネクタイの結び目に指を差し込んで緩ませながらの、亨の上目遣いと目が合った。 それだけで、どくんと心臓が跳ねてきゅう、と下腹部が熱くなる。 そんな風に反応してしまう身体が恥ずかしくて、誤魔化すように話しかけた。 「亨、ごはんは?」 「食べた。ごめんな。春妃は?」 「うん、食べた……あ。お風呂借りた」 ……ちょっと、想像以上にこの体制は、恥ずかしい。 亨は私のお尻辺りに両手を添えて、さわさわと指でパジャマの上から撫でてくる。 私は私で、両手の置き所に困ったものの、他に場所が見当たらず彼の肩に乗せた。 「パジャマ持ってきたんだ。俺のシャツ、出しといたのに」 「……やだよ。変にエロいもん」 「それ狙ってんの」 くすくすと笑いながら、亨が私の胸元に顔を埋めた。 吐息で、パジャマの中が熱くなる。 あ、やっぱ。 美佳提案の「あ・た・し」作戦が一番喜ぶってのは当たりなのか。
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