15人が本棚に入れています
本棚に追加
高2になって1週間経った日の昼休み。
目の前にいる2人が楽しそうに笑って私を見つめている。
きらきらとした瞳が、何とも
ザ・女子高生!
というような感じだ。
「小夏、誇張しすぎ!私そんな凄い人間じゃない~」
「も~、そんなこと言っちゃって。のんちゃん謙虚過ぎるっ」
「のんちゃんってほんと女の子!って感じ」
「あ、桜ちゃんまで!」
友達のうちの2人である小夏と桜ちゃんの言葉にパタパタと手を振ると、2人は茶化すように私を小突いた。
野々村杏花(ノノムラキョウカ)、
通称のんちゃん。
――『のんちゃんは可愛くてふわふわしてるけど、話すと楽しい女の子だよね!』
ここ数年間、ずっと同じことを言われ続けてきた。
……嘘ではない、と思う。
かといって本当ではない気がする。
性格だと思う、昔から妙に内面だけは大人びていた子供だった。
割と小さい頃から、
自分が生きやすくいるためには大人の顔色を伺うのが一番。
みんなと仲良くするにはいつも笑顔で話しかけるのが一番。
私がみんなの望むように過ごしていれば、みんなが笑っていてくれる。
そんなことを思って生きてきた。
最初のコメントを投稿しよう!