melody1

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――まずい。 まずい、まずいまずいまずい! 目の前で何も知らずに笑う顔を見て、背中に冷や汗が伝う。 これまで私はずっと、その事実を隠して過ごしてきた。 知られないように、 目立たないように。 何も詮索されないように。 だけど、きっとバレた。桜ちゃんに。 桜ちゃんは、きっといつものハッキリとした声で言うんだろう。 そうしたら私のことは教室中に広まる。 噂は教室から教室へ、 2年生全体へ、 学校全体へ、 ……広がるかもしれない? それだけはあり得ない。 自意識過剰でもいい、そんな最悪の事態は避けないと……! 「でね、藤野光里って検索したらね」 「なになに、何か分かったの?」 そんな私の気も知らずに桜ちゃんと小夏の間で話が進んでいく。 ……どうしよう。 そうは言っても、こういう時の話の逸らし方を私は知らない。 「そうそう!光里ってね、すんごいいっぱいコンクールに出てて、しかも」 ――言われる。 反射的にぎゅっと目を瞑る。 「――世界大会とかで賞まで貰ってるんだよ!すごくない!?」
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