melody1

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「えー!?世界大会!それほんと!?」 「ほんとほんと!いっぱい外人の名前が並ぶ中に、ローマ字で“Hikari Fujino”って書いてあってさ、超かっこよかった!」 「わー、なんか次元の違う人って感じ!そう言われれば光里ってちょっと雰囲気独特な気がするもんね」 「世界で賞獲るとか、やっぱただ者じゃないよね~!」 …………あ、れ。 ……それだけ? 私のことは? しばらく黙って話を聞いていても、一向に私の話は出てこない。 ……もしかして、気付かれてない? 「あれ、のんちゃんどうしたの?あんまり驚かないね?」 ふいに桜ちゃんに顔を覗き込まれて、慌てて笑顔で手を振る。 驚きすぎて声も出なかったー、なんておどけて言うと、2人はまた楽しそうにお喋りを再開した。 これは…… 気付かれて、ない。 その事実に心の底から安心して、長い息をつく。 ……まったく、いきなり私の秘密がバレそうになるなんて、進級早々ついていない。
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