15人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー!?世界大会!それほんと!?」
「ほんとほんと!いっぱい外人の名前が並ぶ中に、ローマ字で“Hikari Fujino”って書いてあってさ、超かっこよかった!」
「わー、なんか次元の違う人って感じ!そう言われれば光里ってちょっと雰囲気独特な気がするもんね」
「世界で賞獲るとか、やっぱただ者じゃないよね~!」
…………あ、れ。
……それだけ?
私のことは?
しばらく黙って話を聞いていても、一向に私の話は出てこない。
……もしかして、気付かれてない?
「あれ、のんちゃんどうしたの?あんまり驚かないね?」
ふいに桜ちゃんに顔を覗き込まれて、慌てて笑顔で手を振る。
驚きすぎて声も出なかったー、なんておどけて言うと、2人はまた楽しそうにお喋りを再開した。
これは……
気付かれて、ない。
その事実に心の底から安心して、長い息をつく。
……まったく、いきなり私の秘密がバレそうになるなんて、進級早々ついていない。
最初のコメントを投稿しよう!