一の巻き

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「――――……またか」 真っ赤に汚れた手や刀をみて少女は笑った。 少女は刀を拭いて廃墟を後にする。夜のネオンは少女にはいささか眩しかった 他人とつるまない彼女は何処にも属さない。 ただ、一人。 あの人以外には――…… 少女の名は鈴音と言った 少女は豪邸の自宅にあがりただいまを告げる。 4年間幽閉された家以外には帰る場所が無かった。 彼女の師匠は数年前、政府に連れ去られた。 崩れ行く日本。 それを近くから見る少女の目には光が無かった。 月明かりが少女の刀を照らす。刀はあちこちはこぼれをしている。 「――……」 キィィィン…… 耳鳴りがして少女の目は真っ赤に揺れた。 「……魂を創る」 刀のはこぼれは無くなる 少女には全てを意のままにする力があった。 だからこそ、少女には夢があった。 人並みに成りたい 今日、少女は家を出る。
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