テガミ

大学

いつかの状態を繰り返すように、家中声で満ちました。

私も流石に反論し、出ていくとさえ言いました。

貴方も出て行けばいい、と言って。

荷物をまとめました。

荷物を極力減らす為、過去に撮った写真をすべてアルバムから抜き、ビニール袋に詰めていきました。

高校時代に趣味でカメラを持っていたので、その数は膨大です。

妙に現実的な私がいて、服も物品も、要るもの要らないものを淡々と片付けました。

それを泣きながら止める貴方の姿が、今でも脳裏に焼き付いています。

やめて

やめて

写真を抜き取る私に覆いかぶさる重みを。

ひとり暮らしは経験した方が良い。そう言って両親を説得したのは姉でした。

結果として私の野望は叶うこととなりましたが、結局私は、ひとりでは何もできなかったのです。

ひとり暮らし。

私は勿論のこと。貴女にも父にも、ひとり暮らしを経験した姉ですら想像を絶するほど、大変なものでした。