大学

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もっとあなたの側に居ればよかったと思います。 もっと苦労を掛けて、でも、それ以上にもっともっと楽をさせてあげたいと思うのです。 貴方が副作用や入院で家事が出来ないとき、家のことをこなしていた私。 専業主婦って、大変ですね。 朝5時半に起きてお弁当と朝食の準備。貴女が冷凍食品はほとんど使っていなかったことを知っているので、父が会社で母の不在を感づかれないよう私もあなたに倣いました。 常備菜があったって大変でした。 オムライスに頼る気持ちがよく分かります。 7時には朝食。片づけをして朝ドラを見たら今度は洗濯です。 タオルは毎日交換するので、実家の大きな洗濯機でもおしゃれ着洗いとふつう洗いの2回。毎日。 前日の洗濯物を片付けていたらお昼です。 お昼には掃除。週に二回か三回。そうしなければ私のハウスダストアレルギーが反応します。 敷地は狭くとも、三階建ては大変。掃除機を以て階段を行ったり来たり。 掃除がやっと終わったかと思えば、今度は買い出しです。 新鮮とは言いません。傷んでいないものを安く買おうと思うと、14時くらいには行かなければ。 私は免許を持っていたので車で行きましたが、貴方は自転車で行っていたのですよね。 遠出はできないから、近所で済むよう週に一回買い出しをして、足りないものを近所の小さなスーパーで補って。 そこに無ければ、父や私が帰ってくるのを待って。 父の帰宅は17時半ですそれまでに夕飯の準備をしなければなりません。 専業主婦は、家事の手抜きが許されない。 毎日違う食材。毎日違うメニュー。 少し遅れただけで、少し気に入らないメニューが出てきただけで文句を言う家族に、どれだけ腹を立ててたことでしょうか。 手伝いもしないくせに。 私は帰るなりお菓子を手にする父に毒づきました。 そう言えば、貴方から何かそういうことを言われたことはありませんでした。
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