幼少期

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3歳にも満たない頃の出来事で、なぜか印象的で忘れられない出来事が一つだけあります。 大泣きをした思い出です。 私はいつものようにあなたの隣で昼寝をしていました。 母のぬくもりを感じながら、うとうと。 気持ちの良い午後の微睡です。 しかし、それもつかの間。 尿意を催した私は目を醒まし、隣を見て仰天しました。 貴方の姿がありません。 すぐ側にあったはずのあなたの存在を私は確かに覚えていて、そこにない【あるはずだったもの】に震えます。 いたはずなのに、いない。 当時2歳の記憶が、こんなにも鮮明なのはおかしいでしょうか。 けれど憶えているのです。 その時の恐怖を。 私は泣き叫びながらトイレに向かいました。 生理現象には勝てません。 しかし幼児にその壁は高すぎる。 トイレのドアノブは高く、ひとりでは開けられません。 まあ開けられたところで、ひとりで子供用便座を用意してひとりでトイレを済ませることなどできなかったでしょうが。 トイレの前で絶望。 お漏らしをしながら泣き叫びました。
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