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「はっはっはっ。そりゃ無理だ」
「え?」
聞き返す俺を見て奴は笑っている。「どういうことだよ?」
「言わなかったか、俺には先が見えてるってよ」
「ほれ」と言って奴が差し出したのは、さっきまで奴が目を落としてニヤついていた携帯電話だった。受信メールを開いた画面が液晶に映し出されている。
From 勅使河原 林太郎
題名 Re:詐欺師の男について教えてくれ
ああ、あのよく来てた三流詐欺師のことか。
そいつなら、もうとっくの昔につかまっちまったよ。
いつかまでは覚えてないけど、確か妙な関西弁を使うおっさん相手に金騙し取ろうとしたところで、そのおっさんに通報されて御用だったかな。
あいつの商談失敗をカウンターから眺めてるのは良い暇つぶしになってたからなあ。いやあ、惜しい男を失くしたよ。ウチの店はさ。
どう? そっちではあいつまだ元気に詐欺師やってる?
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