第1話

ブギーバック

家を抜け出してクラブで女の子とリズムにノッて揺れているとメールが届いていた。

おい、お前。
その女はだめだぞ。後で男が出てきて殴られるのがオチだ。
それだけじゃない。
アヤもカナもサンディも、みんな彼氏持ちだ。
時間の無駄だ。
家に帰って勉強しろ。
俺のようになるな。

留年後の自分より。

「なんだこれ」
オヤジめ、また新しい手を使ってきたな。

華の高校三年を机の前で過ごせるか！
と俺はオヤジに返信し、テキーラタイムが始まったダンスフロアへ戻る。
勢いでキスくらいできねぇかな、と思いながら。