『500年前の俺よ!ありがとう!』

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『500年前の俺よ!ありがとう!』

△△(俺の名前)! 元気か? いや、仕事で失敗して落ち込んでいるのは知っている。なんせ、俺はお前の未来だからな。しかも、500年後のお前だ。 驚いたろう? どういうことかって? よし、今から説明してやる。 お前は、一日無駄にしたことを後悔して、気分転換のために「日本一」へこれから行くはずだ。 そして、ほろ酔いになって、何となく嫌なことも忘れたから帰ろうとするだろう。それで、勘定をすませて店を出る。その時だ。お前は、店の敷居に足をひっかけて、前の道路につんのめるんだ。で、丁度、そこへ一台のダンプカーが通りかかって、はねられる! それはもう見事なはねられっぷりで、重態だ! だが、慌てるな。死にはしない。病院で一命は取り留められるんだ。 しかし、お前は植物状態になる。お袋も親父も、お前のおっちょこちょいがこんな惨事になろうとは思ってなかったから、ひどく後悔する。 そこへ、店の中にいた例の〇〇研究所の人たちがやってくる。そして、一つの提案をするんだな。それは、人体の冷凍保存の実験にお前を使わせてくれというものだ。眠らせておいて、将来、脳の機能を回復させる技術が開発されたら、お前を甦らせる、というんだな。極秘の人体実験だから、費用は全て国家と研究所が持つ。 これを聞いてお袋と親父は、その提案を飲むわけだ。いつになるかわからないが、もしかしたら、お前がもう一度生き返る可能性があるなら、それに賭けようというわけだ。子を思う親の気持ちは何と深いのか。 それで、ともかくお前は研究所の地下室で冷凍保存され、長い間マグロのようにただ凍っていることになる。 残念ながら、お袋と親父が生きているうちには、そんな技術は発明されなかった。そのうち時代が過ぎて、異星人がついに地球人類とコンタクトを取ってきた。宇宙貿易時代になる。その頃、ようやく俺を蘇生させる技術が見つかった。 そして、俺はお前のいる時代から、500年後の世界に目を覚ましたのだ。
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