第1章

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休み時間、隣にいる彼女たちは楽しそうに会話している。 「この前少しセクシーな下着買っちゃったんだ」 「えっ!それは冒険したね」 私は聞こえないふりをして本に目を向ける。 顔を上げるといつの間にか担任が来ていた。 「はい。じゃあ、今日は生徒会の立候補について話します」 今年もそんな時期になったんだ。こういう時には煩かった彼女たちも静かだ。 私はきっとこのままだと何も変わらない。彼女たちで言う冒険をしなくちゃ駄目だ。 「は、はい!私が生徒会長をやります!」 立ち上がった時に椅子が倒れ、時間差でバンっと音が静寂の中、響く。 「何これ!最高!」 誰がそう言うと教室が笑いに包まれる。 私の小さな小さな冒険記が始まった。 .
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