シャボン玉

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シャボン玉

 四年前まで通ってた小学校。その傍の道を久しぶりに通った。  誰が持ち込んだのか、シャボン玉がふわふわ浮いているのが見える。  授業で使った教材の残りならいいけれど、もし勝手に持ち込んだものなら、見つかって怒られなきゃいいけど。  まだたった四年だけど、懐かしさに足を止め、校庭にいる子達を見た。  そういえば、シャボン玉、学校で吹いたことがある。  何年の時だったかは忘れたけど、授業で石鹸水を作り、どれだけ膨らむかとか、長く保っていられるかを競った。  その時に、隣合っていた男の子。  俺の方が。  私の方が  争うようにシャボン玉を膨らませ、お互いを見た時に、シャボン同士がくっついた。  飛び抜けて大きくなったシャボンの向こうに相手の姿がある。それも何だか恥ずかしかったけれど、一つのシャボンを二人で膨らませているみたいな状態がもっと恥ずかしくて、慌てて顔を背け合った。  その反動で、ぱちんと破裂してシャボン玉は消えた。でも、あの時、恥ずかしさの中で感じだドキドキは消えないまま残った。 「夕子。お前、何やってんの?」 「小学生ウォッチング」  背後からかけられた声にそう返すと、声の主は暇人かと笑った。その相手を振り返れば、そこには、あの日シャボン越しに見た時よりも少し育った男の子の顔。  あの時は恥ずかしかったけど、あれが縁で仲良くなって、中学でも仲良し続行。いつしか友達以上の気持ちが芽生えて、高校進学と共に両思いなのを確認し合っての交際。  はからずしも二人で作ったシャボン玉は割れちゃったけれど、それ以外の想いは膨らみ続ける今現在。一生、壊れないでいてと思ってる。 シャボン玉…完
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