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私は週に一度、こうしてなんちゃって60代に
煽られている。
まだ返信はしたことがないが、カッターとハサミは
常に筆箱にINだ。
「顔を見せたらしたの棒の中身削ぎ落としてやる」
はみ出していたカッターを筆入れに押し戻し、
わしづかんで席を立つ。
さっきから煩かった男が私の席の前で
しゃがみこんでいて気持ち悪かったが
私は落ちているゴミも拾わない人間だ。
「そういえばさ、一川君。
最近中田君来ないね。」
「・・・あいつは、もう来ません。」
私は静かに扉を閉めた。
待ち伏せされるほど歩さんに気に入られている
あいつが無事とは思えない。
_____ところで芹さん、あいつの名前
間違っていたな。
あんな美人に名前を間違えて覚えられているなんて
不憫でならない。
後で訂正しにいこう。
中田、お前のことは忘れないからな
私はその日"中田"と印刷された
白い紙を写真立てに飾った
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