第1話

第1章

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｢シロー、お願いがあるの。三年の期限、これだけは絶対守ってね。私、家出同然で出て来たからね。私がかけた迷惑に耐えているみんなに、せめてお詫びしたい。それが三年の期限を守る事なの。お願いね｣
｢メモリー、僕は君の幸せを最優先に物語を進めるよ。君の幸せが絶対条件だ｣
｢シロー、私思うの…｣
｢何を？｣
｢あなたが思う運命とは違う運命になりそう。そんな予感がするの｣
｢メモリー、僕は君の幸せを絶対最優先させるよ｣
｢そうじゃないの。理想の運命に生きるよりね、心の美しさに生きる。それが愛だって言ったじゃない。私ね、理想より心の美しさに生きるかも｣
｢メモリー、君は自由だよ。心の美しさに生きた素晴らしい恋愛体験、それが君の幸せだよ。明日君はココロノアイ王国の王子と出会う。僕の小説はそこまでしか進んでないよ｣
｢シロー、あなたの小説に貢献出来るなら嬉しいわ。私に出来る事なら何でも協力したいわ｣
｢メモリー、僕は思っている。僕は変わらない。僕は人間の素晴らしさを書き続けるよ。これからずっと変わらない。心の美しさ、それが僕の小説のテーマとシンボルだ｣
｢シロー、輝いて見えるわ。シロー、あなたが書く物語は変わる。そんな予感がするの｣
｢メモリー、変わらないよ。僕は君の幸せを絶対何より最優先させるよ。約束するよ｣
｢シロー、私、あなたになら心捧げてもいいわ。私に対するシローの心、温かくて美しいから。ただし、私が祖国に帰る迄よ。シロー、心の美しさに包まれるってね、自分が素晴らしい存在だって思えるの。それが嬉しいの｣
｢メモリー、僕とよりもっと素晴らしい恋愛体験が出来るかもしれない。君はそういう運命の中にいる。僕はそういう物語を目指している。君は素晴らしい恋愛体験が出来るよ｣
｢シロー、私の恋愛は私の意志で変わるのよ。心の美しさと生きる素晴らしさに包まれている。それが素晴らしい恋愛よ。心の美しさを表現する喜びが、私の生きる道よ。心の美しさを表現出来る喜びが私の恋愛なの｣
｢メモリー、君は自由だよ。心の美しさ、存分に表現してほしいよ｣
｢シロー、ありがとう！｣
｢メモリー、僕は幸せだ。君に出会って心から幸せだ。僕は自分の思いを思い切り物語にするよ｣
｢シロー、頑張ってね｣
　いつもは業務が終わると、メモリーはロボットなのだから留守番役。シローは帰宅した。しかしこの日は違った。