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シローは残って物語を進めた。メモリーは黙って見守っていた。シローは真剣にペンを進めていた。メモリーはシローに情熱の熱さを感じた。それは未来の輝きのように思えた。シローはペンを止めた。
「メモリー、理想は心の輝きになる。心の美しさを表現する喜びがある限り、人間から素晴らしさは消えないだろう。メモリー、僕は君の幸せを心から喜びたいよ。祝福したい」
「シロー、ありがとう!心の美しさに触れる事が出来るって嬉しい! 自分の存在の輝きを感じるって嬉しい! シロー、愛は心の宝石。それを実感出来るなら嬉しいわ」
「メモリー、その通りだ。愛は心の宝石だ。メモリー、ココロノアイ王国はね、心の宝石が一杯だよ。運命が心の宝石を輝かせるだろう。メモリー、喜び一杯、幸せ一杯味わってほしいよ」
「ありがとう! シロー、いつまでもあなたの美しい心見つめていたいわ」
「メモリー、僕の真っ暗な心が蘇ったのは君のお陰だよ。僕は命がけの遣り甲斐を見つけたよ。ありがとう!」
「シロー、あなたが書いた物語読んでみたいわ」
「いいよ、どうぞ。メモリー、僕は今日これで帰るよ。お客さんと夕食会があるんだ」
「どうぞ。素晴らしいディナーでありますように」
シローは帰路に付いた。元々そこは喫茶店だった。シローが経営していた。利益を上げる事が出来ず、商売を変えた。コーヒーだけ無料提供。店内はそのまま。悩み相談ではないのだから、花は可能な限り飾られていた。それはシローの役目だった。メモリーは読み始めた。メモリーは読みながら、
「シロー、ありがとう。私を大切にしてくれてありがとう! 天使が私を乙女にしてくれるのね。ありがとう!」
シローに拾われた頃のメモリーは、言葉を話せなかった。メモリーはそこまで成長した。メモリーが読み終わった時だった。天使が現れた。
「メモリー、あなたの運命には飾りが必要なの。あなたは期限を設定したのよ。恋愛にはね、期限を設定するってあってはならない程に悲しい事なの」
天使はメモリーの手のひらに乗る程に小さい。メモリーは両手を差し伸べた。
「可愛い! 天使様、ご忠告ありがとう。確かに私の恋愛は厳しい。それは覚悟しているの。私には後一年しかないの。祖国には申し訳ない思いよ。胸が潰れる思いよ。どうしてもどうしても恋愛体験したいこの思い、胸を焦がすだけの運命なの」
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