第1章

8/48
前へ
/48ページ
次へ
 7ページ 「メモリー、恋愛に期限を設定するってね、花の咲かない運命を背負う事になるかもよ」 「分かっている。覚悟しているわ。このまま何もせず胸が焦げていく、それだけは嫌!素晴らしい自分を見たいの」 「メモリー、恋愛はね、真剣にならなければ芽生えない運命なのよ」 「天使様、もし許されるなら、地球で命終わりたいわ。いつまでも恋愛に心捧げられる運命なら、どんなに素晴らしいでしょう!」 「メモリー、心行くまで心捧げるといいわ。熱き胸の思いってね、誰にも止められないの。胸が熱くなるってね、素晴らしい事なのよ」 「天使様、私、間違い犯すかも…」 「メモリー、自分に正直にね。自分に嘘を吐く事が間違いなの。自分の素晴らしさを表現する運命が熱を帯びるとね、他の運命は存在しなくなるのよ。恋愛がどれ程素晴らしいか、あなた自身が味わう事ね」 「天使様、自分に正直ならね、私は運命がどんなに熱を帯びても輝くわ」 「メモリー、余程に素晴らしい宝物見つけたわね。思い切り心行くまで輝きなさい」 「天使様、ありがとう!」  メモリーは乙女姿に変わったが、自分ではそれに気付かなかった。 「メモリー、あなたは乙女に姿を変えたのよ」 」本当?」 「本当よ」 「嬉しい!ありがとう!鏡で自分を見てみたいわ」 「メモリー、一つだけ条件、絶対鏡を見てはいけない」  メモリーは喜びが萎むような思いだった。 「どうして?」 「どうしても。いいわね、絶対よ」 「もし破ったら?」 「どうなるか、味わいたければどうぞ」 「恐いわ。分かった。天使様、私人間なの?それともロボット?」 「安心して。完全なる人間、女性、乙女よ。メモリー、あなたの願いが最大限叶う運命よ」 「ありがとう!嬉しい!全ては心の美しさを表現するのみよ」 「メモリー、心焦がす運命、焦げても不幸じゃないのよ。生きる素晴らしさはね、心焦げても輝くのよ」 「天使様、私は生きる素晴らしさを表現するだけです」 「メモリー、忘れないでね、期限と約束」 「絶対守ります。天使様、私が生きている事が悪にならない事を祈っています。私は生きる素晴らしさを心の美しさで表現したいです」 「メモリー、命の尊さを愛で包んでいる限り、心の美しさを愛で表現する限りね、生きている事が悪であるという事は絶対あり得ないの。忘れないでね」  天使は消えた。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加