第三章 旅の始まり

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足跡一つつかないこの聖地。 一体何なんだここは、、 そこでふと気づいた事がある。 影がない。 髪の毛や手、足、そのままの服、あるのにも関わらず、影がない。 これは夢なんかじゃないんだ。 自分は本当に死に。 ここは天国。 その時の感情はよくじいちゃんが言っていた 「どんなに美味しくないものでも味の向こうがあるんだよ。」 これが、亡くなった人の後の世界。 小さい頃思った高い高い山の向こうがわってどーなってんだろう。 それを感じている感覚だ。 「味の向こうがわ。」 そういう事なのか。 無償にもじいちゃんに会いたくなった。 凄く凄くじいちゃんの料理が食べたい。 コロッケが食べたい。ハンバーグが食べたい。 頭の中がじいちゃんの料理の事でいっぱいになった時に列車の方から人影が見えた。
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