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「よーちゃん!」
案の定、慌てて柏原が俺を追ってきたが、俺は無視して歩いて行った。
「どうしたの?まこちんが気に食わなかった?」
まこちんだけじゃないわ!ボケ!
「ねー、ねー、何怒ってるの?ねー、どうしたの?」
優男は、やっぱり、優男だな。
「悪い。図書館行くから、ついてこないで。」
俺が冷たく告げると、アホな柏原でもなんとなく、今はダメだと察したのか、
「わかったー。じゃ、午後ね。」
と言って、今来た道を戻って行った。
少し冷たくしすぎかと、若干心が痛んだが、また、あんな失態を繰り返すわけにはいかない。
二度と、あいつが、あんな誘いをしてこないよう、徹底的に躾けなければならない。
俺は、心を鬼にして、論文大会のための資料を探しに、図書館へ向かった。
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