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「あ、いや、大丈夫。
あー…もしかして、論文書く…のかな?」
俺は、本を譲ろうと、手を引っ込めた。
そいつは、うつむきながら、
「はい。」
とだけ答え、くるりのターンして、俺から離れて行ってしまった。
何だったんだ?
本を借りに来たんじゃないのか?
にしても、かなり、強烈にダサかった。
俺だって、別にオシャレではないが、あれはない…
入学式のときには、気が動転していて気付かなかったが、あんなダサイメガネしてたんだな。
ザ・ガリ勉って感じか?
まぁ、俺だって、高校の頃はガリ勉臭を漂わせていたかもしれないが。
というか、あいつも論文書くんだ。
でも、今度は俺が勝つ!
何が何でも、あいつに勝つ!
そう心に決め、より一層、慎重に、借りるための本を選び直した。
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