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え…?
こういうところって、普通、人に触らせないだろ?
「慣れてなかったんだ、ごめんね。」
申し訳なさそうな顔をして謝っているけど、こいつ、実は、俺のこと、バカにしてるんじゃないか?
人に体を触られることに慣れていない俺のこと…
「と……
とにかく、この器片すから…」
話題を変えたくて、足元に転がっている割れた器を拾い上げようと手を伸ばすと、同時に、チャラ男の手も、こちらに向かって伸びてきた気がした。
「うわ!」
その瞬間、条件反射で体が強張ってしまう。
意識しすぎだ。
恥ずかしい…
「あのさー、吉田くんってさー、もしかして、もしかして…
そういう経験ない?」
そういう経験…?
「えっと、そういう経験って、うなじを撫でられた経験ってこと?」
………
あ、違うらしい。
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